☆ようこそ7Mワールドへ☆

≪はじめに≫
7Mが生産中止になってはや10年が過ぎ去り過去の名機として扱われるようになっていますが、
まだまだ現役として動いているものもすくなくありません。
そこで今これから7Mが載っているスープラやソアラを買おうとしている人たちや、
7Mというエンジンが好きでしょうがない人たちの為にパーツの紹介や長所、短所などを解説ししていきたいと思います。
≪7MとYSRの関係≫
YSRの事を知らない人たちのちょっとだけ説明させてください。
横浜スポーツアンドレーシング(YSR)の歴史は7Mの歴史といっても過言ではありません。
世間一般では7MイコールYSR、YSRといったら7Mだよねと認識していただいているようですが
決して7Mに固執しているわけではありません。
実際に1JZや2JZ、3SGTなども手がけ、日産のRB系やVG,SR、スポーツカー系のエンジン全般を制作しております。
私が独立して最初に手がけたのが、トラムスープラターボAでした。
この車両はフュ−エルコンピューターなど制作販売するメーカーのデモ車の制作でした。
昭和63年から平成元年にかけて世間をにぎわせた車です。
当時この車は谷田部の高速周回路において、最高速度324キロを記録して話題をさらったものでしたが
この時私自身は請けで仕事をしていた状態ですから、YSRの前身がここにあった事を知っている人は少ないと思います。
ここから7MとYSRとの関係が始まったのですが、今もこうして7Mをいじくり倒しているなんてことは想像もしていませんでした。
いっそ廃業するまで7Mを進化させつづけてやろうかとも思います。趣味の世界で!

≪7MGTEUスペック≫ ノーマル
○型式 7M−GTEU(レーザーα7Mツインカム24バルブターボ)
○種類 直列6気筒DOHC
○内径x行程mm 83.0x91.0
○総排気量 cc 2954
○圧縮比 8.4
○最高出力ps/r.p.m ネット240/5.600
○最大トルクkg.m/r.p.m 35.0/3.200
○燃料供給装置 EFI(Lジェトロ)
○燃料タンク容量 L 70
○使用燃料 無縁プレミアムガソリン
○シリンダーヘッド アルミ鋳物 4ヴァルブシングルポート
○シリンダーブロック 球状黒鉛鋳鉄製
○インタークーラー ドロンカップ(積層)タイプ
○エンジンオイルクーラー 空冷式オイル分割タイプ
○エアーフローメーター 光学式カルマン渦エアーフローメーター
○点火方式 DLI(ディストリビューター レス イグニッション)フルトラ同時点火
○カムシャフト 236° 7.3mmリフト
○カムシャフト駆動方式 コッグドベルト
○オイル供給方式 ギアタイプ
○クランクシャフト フルカウンター型(後期モデル)
○コンロッド 鍛造I断面
○ピストン 鋳造フルフロータイプ
○親子メタル
○ヘッドガスケット グロメット入り高強度カーボンガスケット
○バルブシステム コイルスプリング、アウターシムリフタ―
○ターボチャージャー 水冷式フルフローティングベアリング方式 設定加給圧0.48
○スロットルバルブ シングル バルブ径55mm
○インジェクター トップフュード低抵抗 430cc(2.55k時)
≪長所≫
@ ボアよりもストロークを多くとる事により低回転高トルク型で実用領域を重視したエンジン
A 3リッターという排気量を持ちながらエンジン全長を押さえている
B 全長が短いためにクランクシャフトのねじれに対し有利である
C 燃焼室の形状がペントルーフ型の理想形状に近い為燃焼効率がよい
≪短所≫
@ ストロークが長いため高回転に適さない
A ストローク長いためエンジン全高が高くなりがちである
B ボアピッチが狭いためブロック強度を上げるのが難しい
C 素材そのものが強度不足である

(シリンダーブロックのボア間が薄いために長年使用していると一番薄い所が下に落ちて気筒間ガスケットが抜ける。)
≪改善点≫
@ ピストンの鍛造化
A メタルヘッドガスケットの変更
B 燃焼室の最適化
C ポートの最適化
D 動的バランスの最適化
≪YSRから見た全体像≫
7MというエンジンはM型からの発展版ですから、かれこれ30年ぐらいの経歴の持ちぬしです。
そんなエンジンが現在の1J、2Jと張り合おうということですから無理があるのは当たり前で
スワップしたくなる気持ちはわからないでもありません。
強度の面や高回転化に対して不利ですが排気量が3000ccという面を考えると捨て難いものがあります。
チューニングをするという側面からみると、大化けするスーパーエンジンなのです。
7Mによる活躍は日本中のショップさんが証明しています。
ゼロヨンにおいてはディバージョンさんが10秒台を記録し
最高速ではABRさんが330Kオーバーを出しています。
設計が古いからといって全てを否定するのは早計だと思います。
もちろん自分にあったチューニングをするのがいい事は当然なのですが
実際に突き詰めていくとどこまで能力があるのか知っておく事は大切だと思っています。
YSRで制作した7Mでは記録狙いではなく、普段の足としてデート用の車として使えるという事を前提にしながらも
ブースト圧1.3kで650psオーバーなんていうエンジンに変貌していたりしています。
ただ長く乗りたいのであれば600ps以下に押さえておくのがいいのかもしれません。
いずれにしてもツボを押さえていじくり倒せば壊れる事なく安心して走りにいけるのは間違いありません。

(トラムスープラのレプリカを目指して13年ぶりに製作したRX6ツインターボ。最新のパーツをふんだんに使用しているのだ。)
≪チューニングしてみよう≫
☆270ps仕様 (ブースト0.8)
使用パーツ ・・・ マフラー、エアークリーナー、ブースト計、レーシングプラグ
この仕様はマフラー交換によるブーストアップが目的で、ターボ直後から全てを
オール75パイのマフラーを使用すると自然にブースト圧が0.8k近くまで上昇します。
結果的に馬力が40〜50ps得られます。
しかし、マフラーやアクセルの踏み方によっては必要以上に
ブースト圧が上がってブーストリミッターが働いてしまうと欠点があります。
これはエンジン保護という事が目的ですから、働いたからといって心配する事はありません。
逆の考え方をすると働いているうちはメーカーが「壊れる事はありませんよ」と、
言っているようなもんだと思ってください。
だからといって、年がら年中働かしているとどうなるかは保証しませんよ。

(HPI製のコットンタイプエアークリーナーを使用したワンオフ品)
☆300ps仕様 (ブースト1.0)
使用パーツ ・・・ 270ps仕様、ブーストコントローラー、フュ−エルコントロールコンピューター
この仕様はブーストを1kに高める事によって300psを出す事ができます。
ブーストを上げるためには、ブーストコントローラを付けるのが一般的なっていますが
電気式のプロフェック(トラスト製)などを使うのがお勧めです。
ブースト圧が0.8を超えてくるとリミッタ−が働くようになるのでコンピューターの
書き換えやe−マネージ(トラスト製)等のサブコンが必要になってきます。
ここで注意してほしいのは、ブーストカットコントローラーだけ取り付けて、
燃料増量をしないと"希薄燃焼状態"になり最悪エンジンブローということになりかねませんので
必ず燃料増量をいっしょにしてください。

(7Mには結構相性がいいと思いますが現在孤軍奮闘中!)
☆330ps仕様 (ブースト1.2)
使用パーツ ・・・ 300ps仕様、大容量フュ−エルポンプ、インタークーラー、インテークパイプ
ターボのS加工(社長のつぶやきをみてください)
この仕様はさらにブースト圧を高め中間域におけるパワーを絞り出そうということですが
ここらあたりがノーマルターボチャージャーの限界です。
実際には高回転領域において"ブーストがたれる"現象が発生して、中間域ばかりが速くなる事になります。
街乗りが中心の人はこれくらいでも充分速いと感じてもらえると思います。
フューエルポンプに関してですが、ブーストが高くなると燃料圧力も高くなるので
ノーマルポンプでは高圧力に対応できません。
そのまま使用しているとポンプの安全弁が開いて規定燃圧よりも1k近く下がってしまうため
非常に危険な状態になります。
ハイブーストになると急激に吸気温が上昇するため効率のいいインタークーラーが必要になり、
吸入空気量も増大しますから空気の通り道なっているインテークパイプも効率のいいものに交換してください。

(インタークーラーは是非欲しいのですがパイピングが70パイ以上のタイプを選んでください。しかし・・・・・キット物がない。)
☆350ps仕様 (ブースト1.2)
使用パーツ ・・・ 330ps仕様、ハイブリッドターボ(BAGターボ・・廃盤だそうですトホホ)
330ps仕様においてたれていたブースト圧がターボのハイブリッド化によって高回転時にたれなくなり
1.2kを維持する事が出来るようになります。
これはターボのコンプレッサー側だけを交換するため、
低回転側の使い勝手を悪くする事なく高回転時の伸びのよさを体感する事が出来ます。
ここまででしたら、エンジン本体に手を加えなくても充分に楽しめますから気軽に乗っていることができます。

(これはノーマルターボチャージャーです。)
☆380ps仕様 (ブースト1.2)
使用パーツ ・・・ 350ps仕様、スポーツタービンキット(ハイブリッドターボと交換)メタルヘッドガスケット
ターボを交換すると排気側の通路が大きくなるため、
同じブースト圧でも排気圧が下がり、エンジンが効率よく回るようになります。
しかし、ここで問題になるのがヘッドガスケットです。
7Mのほとんどが300ps後半で抜けるようなのです。
ヘッドガスケットが抜けてから交換してもいいのですが、場合によっては
エンジンオーバーホールになり兼ねませんから是非ともやっておいてください。

(トラストから発売されているTD06−20Gアクチェータータイプのキット品)
☆400ps仕様 (ブースト1.4)
使用パーツ ・・・ 380ps仕様、鍛造ピストン、大容量インジェクター、Dジェトロコンピューター(エアフロレス)
ここまでくると、いよいよピストンの耐久性に問題が出始めます。
使い方によっては壊れずに乗っている事が出来ますが、最高速チャレンジやゼロヨンのような
走り方をするのでしたら、壊れても仕方がないとあきらめてください。
また、エアーフローメーターの測定限界に達していますしエアフロ自体が
"リストラクター(流入空気量制限装置)"になってしまい馬力が上がりずらくなります。
更にはエアフロ自体を破損させてしまいます。
そこで、エアフロレス化して効率よく空気をエンジンに送り出してあげようという事です。
インジェクターについてもキャパシティーいっぱいになっていますので交換しておいたほうが無難といえます。

(左はノーマルピストン、右は廃盤になってしまったカールシュミット。すごく良いピストンだった。)

(パワーエンタープライズからリリースしているインジェクター。650ccでボルトオン)
☆450ps仕様 (ブースト1.2)
使用パーツ ・・・ 400ps仕様、500ps級タービンキット(スポーツタービンキットと交換)
400ps仕様まで製作がすすんだ車でしたらターボを交換してセッティングをし直せば馬力が上がります。
しかし、エンジン本体に手を加えずにターボだけ大きくしていくとターボ圧のかかりだしが
高回転側にシフトますから場合によってはカムシャフトやポート研磨等のヘッドチューンが必要になるかもしれません。

(かつて一世風靡したTO4S。このタービンを今でも良いと言って使っているチューナーさんもたくさんいます。)
☆500ps〜600ps仕様 (ブースト1.0〜1.7)
使用パーツ ・・・ 400ps仕様、ヘッドポート研磨、燃焼室加工、燃焼室容積合わせ、強化タイプコンロッド
ビッグスロットルバルブ、90パイ以上のマフラー、600ps級ターボ、
400psまでに取り付けたパーツが600ps以上に対応している事
(対応していなければ交換が必要です)
いよいよ、この領域に足を突っ込みますか?
ここで気がついた方はするどい!
600psも出そうとしているのにカムシャフトがノーマルでいいという点です。
長所の所で説明したように"燃焼効率の良さ"がカムを交換しなくても馬力を出す事が可能なのです。
ただヘッドチューンなしでは出す事ができません。
カムを入れないという事はアイドリングやエンジンの始動性、燃費、通常走行において何も問題が発生しません。
いたって普通に扱う事が出来、アクセルさえ踏み込まなかったら600psという事に気がつかないかもしれません。
逆を返せばあまりにも普通に乗れてしまうためチューンドカーにありがちな、
荒々しさや扱いずらいのがいいという人には物足りないかも知れません。

(ポート研磨と燃焼室加工済みのシリンダーヘッド)

(上がノーマルのスロットルボディー、下がターボA。5mmボアアップ)

(ノーマルのコンロッド。550ps以上はちょっと心配、コンロッドがいったらエンジン全損は覚悟しないと)
☆600ps以上 (ブースト1.5以上)
使用パーツ ・・・ 600ps仕様、ハイリフトカムシャフト、インナーシムキット、ビッグバルブ、
カムスライドスプロケット、ボッシュフュ−エルポンプ、大容量サージタンク
その他ありとあらゆる物
ここまでやろうとしているあなたは、ほとんど病気です。
7Mに執りつかれてしまったとしか言いようがありません。
金銭面からしても、ソアラの新車を買うぐらいの気持ちがなければ出来るはずもありませんし、
当然車はエンジンだけで走るわけではないのでエンジン以外の費用も考えておかなければいけません。
もしやったならYSRから表彰状の一枚もあげたいくらいです。
さて、ここまでくると高回転側での伸びの良さが際立ちますが、
カムの度数によっては8000rpmぐらいまで狙えるようになります。
しかしながら高回転を不得意とするがゆえ、高回転高出力で使用していると
エンジンの寿命が極端に短くなるのは避ける事が出来ません。
このような仕様の車だときっと、土曜の夜にしか走らせる事がないと信じていますが・・・。

(YSRオリジナルサージタンクとベールサイド100パイスロットルボディー。とにかくでかい。)
(これらの仕様はYSRが今までに製作してきた
7Mのもっともバランスが良いとされている一例にすぎません。あしからず。)
≪最後に≫
どんなエンジンでも情熱をもって取り組めば良くなる事は私自身が知っているつもりです。
かつて、B20A(ホンダプレリュード/BA1)というエンジンの車で
草レースの耐久シリーズに参戦したことがあるのですが
当初は"こんな車で走るの?"って言う感じで馬鹿にされたものでした。
しかし、参戦を重ねる毎に上位のほうを走る事が出来るようになり、
まわりの目も変わっていく様子がわかりました。
プレリュードという車を選んでしまった関係上、アフターパーツの無さに閉口してしまいましたが
無い物は仕方がないとあきらめ、あるものをうまく利用して車のポテンシャルを上げていきました。
特にエンジンパーツは皆無のため各部の軽量化、バランスどり、ポート研磨、圧縮比アップなどしか出来ませんでしたが
「F3のエンジンでも載せているんじゃないの」とうわさを聞いたときはちょっとだけ嬉しくなりました。
"7M"というエンジンは、これからもまだまだ進化しつづけます。
ただ、どうしても埋める事が出来ない事はシリンダーブロックとシリンダーヘッドの素材そのものを
変える事が出来ないという事実です。
この2点だけは"ノーマル"を使う以外方法がありません。
これは構造の問題ではなく、使用されているアルミや鋳鉄が時代遅れになっているのです。
しかし無い物は仕方がないので、あるもので作っていくしかありません。
今はパワーばかりが目に付きますが、数値にばかりとらわれないで自分流のスタイルを確立することが大切な事だと思います。
乗って楽しい!見て満足!! 人目なんか気にしないでカーライフを楽しみたいですね。
一生懸命作って満足した車なら友達もきっと誉めてくれるでしょう。
これをご覧になった7Mフリークのあなた!
これからも"7Mの燈を消さないため"にも何か知っている事があれば情報交換しませんか。
プライベーター、プロショップの方問いません。
こんないいパーツがあるよという方は是非こちらのほうで紹介させてください。
≪7Mパーツリスト≫
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