特選部品館
〜〜パーツのうんちく編〜〜
その2
第四弾はピンホールローターはどう?です。
夏場ってみなさんどうしています?
海に行きますか?それともプール?
私だったら高原のさわやかな空気に触れたいです。
夏になるとYSRの工場の気温が40度を超すことがしばしばありますが
その時はぼーっとして作業効率が悪くなります。
スポットクーラーでもあればなんとかなりますけど日が落ちるのを待つばかりです。
人間がへたばっているぐらいだから、
チューニングカーにとって夏はオーバーヒートとの戦いになるわけです。
ちなみに夏場対策はお済みですか?夏は毎年来ますよ。
冬場だからと言ってオーバーヒート対策を怠るととんでもない出費が起きますから気をつけてください。
そうそう、ブレーキもオーバーヒートを起こすこと知っていますよね?
フェードって言う言葉聞いたことあります?
フェードとはブレーキパッドとローターが摩擦熱によって起きる現象で
全く効かなくなってしまうことを言います。
こうなるとブレーキペダルをいくら踏んでも制動力が発生せず
氷の上を滑走しているのと同じようになってしまいます。
ちなみに、同じ様な現象でベーパーロックがありますがこれは油圧式ブレーキに起きるものです。
油圧配管内のブレーキフルードがパッドとローターの摩擦熱によって沸騰し、
配管内に空洞が出来てしまい油圧がパッドにかからなくなります。
結果としてペダルが床に付いてしまい非常に怖い思いをします。
これらの現象はいずれもパッドとローターの摩擦による熱が原因ですから
ブレーキのオーバーヒートと言えるでしょう。
では、どうしたらフェードとベーパーロックを防げるのでしょうか?
そもそもブレーキは摩擦を発生させることによって動いている物を止めるわけですから
絶対に摩擦熱を無視することが出来ないのです。
あるブレーキパッドメーカーの開発者が言っていました。
「いくらでも摩擦係数を上げて効くパッドを作ることは簡単なんですが係数を上げれば上げるほど
短時間に高温になってしまうんですよ。耐フェード性を上げる事も出来ます。
しかし、ローターが持たないんですよ。」
なるほど、確かにローターが真っ赤になって更に踏み続けていると
何処かがおかしくなっても何ら不思議でもないですよね。
みなさんは、そんな状況になるまでブレーキを酷使したことがないと思います。
しかし、「なんか効きが悪いなー」ぐらいは経験があると思います。
それはフェードの一歩手前だったんじゃないでしょうか?
一般ストリートでは滅多にフェードすることがありませんから
スポーツパッドに交換すれば用は足りると思います。
それでも足りない方はどうしたらいいのでしょうか?
もう一度言います。
ブレーキは摩擦を利用している制動装置です。
摩擦を発生させれば必ず熱が出ます。
熱が出ればフェードして効かなくなります。
ならば熱を出さないか、冷やしてあげるかどちらかです。
効かないパッドを選べば熱が出ません。あなたはそんなパッドを選択しますか?
私は良く効くパッドを装着して効率よく冷やす方法を選びます。
冒頭にも言ったように良く効くパッドは発生熱が大量に出ます。
それは6ポッドキャリパーをつけたとしても
最終的にはパッドとローターの相性によって決まってしまう物ですから
発生する熱は避けようがありません。
ならば冷やせばいいのです。
単純なことでしょ。
絶対的な能力を上げるには高価なキャリパーキットが必要ですが
もうちょっと効けばいいときはパッドと冷却でかなりいけます。
では冷やす方法について考えてみましょう。
良くフロントバンパーに「蛇腹ダクト」がついている車を見たことがありませんか?
あれはキャリパーとローターに風を導いて冷やしてあげています。
これもいい方法です。
更にはローターに沢山の穴をあけてあげる方法です。
これは穴を空けることによってローターの表面積を増やし、
空気の通り道を新規に増やす事になります。
この事によりより良くローターを冷やしますから温度が上昇しても下降が速くなります。
蓄熱量も減りますから繰り返しのブレーキに対しても有利に働きます。
では、ピンホールローターはどうなんでしょうか?
ピンホールローターはクラックが入りやすいと思っていませんか?
答えはノーです。
ピンホールローターは決してクラックが入りやすくはありません。
同じ条件下で使うならソリッドローターの方が入りやすいと言えます。
それはなぜでしょう。
原因は発生熱にあります。
現在使われているローターの素材は鋳鉄が多く一定以上の温度を繰り返し使っていると
金属疲労が起こりクラックに至ります。
現にYSRのお客様でソリッドローターを割ってきたお客様がいました。
その時は穴なんか空いて無くても割れるじゃんと思いました。
R32GTR時代、純正のローターを割った方が沢山いたのでその様に誤解されたと思います。
たとえ冷却に有利なローターだったとしても許容範囲を超えた使い方をすれば割れてしまうのは当然です。
あくまでもピンホールローターは許容範囲を超えにくくする為のひとつの手法だということを
理解してください。
ローターの温度が上がりにくくなればそれだけ強いブレーキが出来ますし
繰り返しのブレーキもなかなかフェードしづらくなるのです。
穴の数だけ冷えやすくなる、ダクトを引いた分だけ強いブレーキが出来る。
日常でそんな強力なブレーキを必要としませんがちょっと物足りなさを感じた方は
試してみても損はないでしょう。
特にサーキットでは有利になります。
余談ですが、あるメーカーのRX7用のスリットローターでサーキットを走ったところ
3周で反ってしまいましたが、純正ピンホール加工ローターは減ってペラペラになるまで使えたそうです。
もちろんクラックなんて発生しませんでした。
恐るべし純正加工ローター!
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